ありえない感情
広告の世界では、
しばしば以下のような
よく分からない言い回しが登場します。
「○○(ブランド名)は、いつも私のことを見てくれているんだ」
「○○は、いつも私の側で、私を応援してくれるブランドなんだ」
「私の毎日を、○○はいつもどこかで、支えてくれているんだ」
……こういう感情を消費者に抱いてもらうことで、
そのブランドのファンになってもらうこと。
これこそが、本広告の目的です!
プレゼンにしばしば登場するこうしたやり取りは、
ふんふんと納得されるか、
何となく聞き流されてしまうかのどちらかなのですが、
でも、冷静になって考えてみてください。
これまでの人生で、
何らかの商品に対して、
そんな感情を抱いたことがありますか?
「ポッキーは、いつも私のことを見てくれているんだ」
「ドコモは、いつも私の側で、私を応援してくれるブランドなんだ」
「私の毎日を、花王はいつもどこかで、支えてくれているんだ」
(※ここで使ったブランド名は適当です)
もし、本当にそんなことを考えながら生きている
女子高生や主婦がいたら、
その人はかなり気持ち悪い人です。
しかもその人が目にする広告が
たまたま「一業種一社」ならいいですが、
もし同じ日にドコモと、auと、ソフトバンクの広告を見てしまうと、
「ドコモだけでなく、auも、ソフトバンクも
いつも私の側で、私を応援してくれるブランドなんだ」
ということになり、
結局は広告をやる意味がなかったことになってしまいます。
普通に考えたらおかしなことが、
なぜか「もっともらしい話」として流通してしまう。
これが、広告という世界の奇妙なところです。
そもそも、誰かに対してそんな意識付けができるなら、
まずはじめにクライアントに対して
「電通は、いつも私のことを見てくれているんだ」
「私の毎日を、博報堂はいつもどこかで、支えてくれているんだ」
と思わせてしまえば、
余計な競合プレゼンもなくなって
いちばんいいんじゃないかと思うのですが。
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