モンスター化する社会
学校や先生に過大な要求を突きつける、
いわゆる「モンスターペアレント」と呼ばれる人たち。
昔から「そういう」類の人は少なからずいたのかもしれないし、
「そういう」名前を与えられることで、
より社会的に認知されやすくなった、という側面もあるでしょう。
でも、やっぱりそれだけじゃないような気がする。
「学校と親」という関係においてだけでなく、
社会のあらゆる局面において、おそらく、
モンスターな人たちは
確実に増えているのではないか、と思うのです。
だとしたら、それはなぜか。
いま、世の中はあらゆる分野で高度化・専門化が進んで、
知識や技術を持っている「プロ」側の人々と、
それをお金を払って享受する「消費者側」の人々との差が、
どんどん大きくなってきています。
分かりやすい例で言えば「パソコンが壊れた」時。
説明書のさいごに書いてある
「コンセントが抜けていませんか?」
程度の原因ならともかく、通常は、
自力で直すなんてことは不可能でしょう。
「ケータイが壊れた」「ネットがつながらない」「クルマが壊れた」
故障の程度にもよりますが、
昔はお父さんか、少なくともご近所の中で何とか解決できたことが、
今は遠くの誰かに頼まないと、どうしようもなくなっているのです。
どこかに、すごく高度な知識を持った人たちがいて、
その分野のことは、その人たちにしかできないという「事実」。
これが日常生活の中で当たり前になるにつれて、
意識の中でも「プロ」と「自分たち」がはっきりと区別され、
「自分たちにできないことは、プロにお願いしましょう」
という発想になる。
そして、それがさらに進むと
「あなた方はプロなんだから、
何でも完璧にできるんでしょう?」
という、ある種の逆ギレにも近い発想に
行き着いてしまうという訳です。
「モンスターペアレント」しかり「コンビニ医療」しかり、
最近の消費者側とプロ側のあらゆる問題は、
このあたりに端を発しているような気がしてなりません。
とは言え、経済が成長する限り、
世の中の高度化と専門化は避けられないのだとすると、
こうした現象は、今後拡がることこそあれ、
決してなくなることはないのでしょう。
そう考えると、なんだかなぁと、
少し物悲しい気持ちになってしまったりもするのです。
ちなみに、広告業界においては、
たいていの会社は「モンスタークライアント」です。
こっちも、もう少し社会的な問題になってくれるといいのですが。
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