オリエンが見える広告
「オリエンが見えてしまう広告」
というものがあります。
もう少し丁寧に言えば、まず見た瞬間、
表現として何か違和感がある。
何でこうなったのかな?と3秒ほど考えると、
その裏にある種のマーケティングというか、
オリエンにおける「仮説」がはっきりと見えてしまって、
すぐに興ざめしてしまう、というタイプのものです。
こう書くとさっぱり分からないので、具体例。
「味ぽん」のCMと言えば、唐沢寿明が家族と一緒に、
おいしそうなお鍋をつつくもの、と思い込んでいました。
特に目新しいことはなくても、それは冬の風物詩みたいなもので、
CMを見ると何だかお鍋が食べたくなる。
そんなものだと思っていました。
ところが!
いつも家族と仲良くお鍋をつついていた唐沢父さん、
なんと今年から、
単身赴任になっているではありませんか!
一人暮らしの部屋で寂しく一人鍋をつついて、
電話の向こうの家族と会話している。
確かそんなシーンだったと思います。
で、言っては何ですが、おいしそうでも何でもない。
さて、わざわざ家族を引き離さなければならない理由は
何だったんだろう?と考えると、
そこに「オリエン」が見えてくるという訳です。
ここから先は、あくまで推測の域を出ませんが、
おそらく、世の中的には少子化とか、核家族化ということがあって、
「家族で鍋をつつく」ということ自体が、
昔に比べて減っているのでしょう。
で、いつまでもそこを描いていてはいけない。
新しいターゲットを探しましょう、ということになる。
そういえば昨今の「おひとり様ブーム」みたいなこともあって、
1人、ないしは2人程度の少人数で鍋をするということが、
いま日本で新たなライフスタイルになりつつあるのではないか。
じゃあ、唐沢父さんを今年から単身赴任させましょう!
…おおよそ、そんな事情があったのではないかと
推測されるのです。
で、そんなオリエンによって生まれた広告は、
マーケティング的にはある種の仮説を
反映しているかもしれないけれど、
残念ながら、楽しそうでもおいしそうでもなんでもない。
それが、「オリエンが見えてしまう広告」の正体なのです。
少し前に、あややが「午後の紅茶」のCMで
突然「実は低カロリー」と言い始めたときも、
ものすごく違和感がありました。
これなども、「オリエンが見えてしまう広告」の典型でしょう。
CMを作るときには、当然その「目的」があり、
同時にその裏づけとなるデータとか、仮説とか、コンセプトとかといった
分かりやすい判断基準が、
コンテと一緒について回ることになります。
でも、それをそのまま映像化すれば
目標が達成されるかと言えば、決してそうではない。
そのことに誰かが気付いてくれるだけで、
もう少し楽しいCMが作れるんじゃないかなと思うのですが。
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